【プロ野球ルール集】バッター(打者)に関するルールまとめ|アウトになる場合・出塁できる場合など
プロ野球を見ていく上で、ルールを知っているとより楽しく観戦ができます。
本記事では、プロ野球のルールの中でもバッター(打者)に関するルールについてまとめて紹介していきます。
バッターの基本ルール
- 決められた打順で打席に立つ
- 次の打者はネクストバッターズサークルで待つ
- 自分の打順が来たらバッターボックスに立ち、打撃の姿勢をとる
- バッターボックスから出てはいけない
バッターの基本ルールとして、上記の4つのルールを紹介します。
決められた打順で打席に立つ
プロ野球では、試合開始時にメンバー表の交換を行います。
メンバーの交代をしない限りは、登録している打順の通りに打席に立たなければいけません。
もし打順を間違えてしまった場合でも、基本的には指摘が無い限りは試合が続行されます。(審判が気づいた場合も、審判から注意があることはありません)
ただし、指摘があった場合はそのタイミングによって対応が異なります。少しややこしいので、例を出して紹介していきます。
【例】4回の表の攻撃、打順は1番からの場面
- 山田
- 佐藤
- 田中
の打順で登録をしていた場合、通常であれば山田が最初にバッターボックスに立ち、攻撃を始めます。
しかし、間違えて山田ではなく佐藤がバッターボックスに立ったとします。
このときに、相手チームから指摘を受けたタイミングによって、対応が異なってくるので注意が必要です。
- 佐藤が打席に立ってすぐに相手から指摘があった場合…正しい打順の山田が打席に立ちそのまま試合続行(佐藤は通常通りネクストバッターズサークルへ)
- 佐藤が打席に立って1ボール2ストライクで相手から指摘があった場合…カウントはそのまま(1ボール2ストライク)で山田に打順を交代する(佐藤はネクストバッターズサークルへ)
- 佐藤がヒットを打った後に相手から指摘があった場合…山田をアウトとし、佐藤が打席に立つ(ヒットの記録は取り消し)
- 佐藤がヒットを打った後、田中が打席に入った後に指摘された場合…そのまま試合続行(指摘するタイミングが遅いため、ペナルティなし)
…というように、指摘をするタイミングによって、どのような対応がされるのかが異なります。
もし自分のチームの打順間違いに気づいた場合も、申告ができタイミングによって同じように適用されます。
プロの世界では打順間違いが起こることはまずありませんが、このようなルールがあることは覚えておきましょう。
次の打者はネクストバッターズサークルで待つ
プロ野球にはネクストバッターズサークルという、次の打者が準備をするためのエリアあります。
一塁側と三塁側それぞれにエリアがあり、自分たちのベンチから近いバッターボックスで待機をします。
少年野球などでは、ネクストバッターズサークル内に座って待つというルールがありますが、プロ野球では必ずしもネクストバッターズサークル内に居なくても問題ありません。
選手はバットにスプレーを振ったり、素振りをしたりして自分の打順に備えます。
自分の打順が来たら速やかにバッターボックスへ
自分の打順が来たら、速やかにバッターボックスへ入り、打撃の構えをとる必要があります。
もし、バッターボックスに入っても打撃姿勢を取らない場合、ストライク判定を取られることがあるので注意が必要です。
バッターボックスから出てはいけない
バッターは、1度打撃姿勢をとったら基本的にバッターボックスから出てはいけません。
バッターボックスから出るときには、タイムをとる必要がありますが、ピッチャーが投球動作に入った後はタイムは認められません。
バッターボックス内で打撃姿勢をとっているときも、バッターボックスから出てはいけないというルールがあります。
バッターボックスのラインもバッターボックスの一部とされるため、少しでもラインを踏んでいればはみ出していても問題ありません。
足が完全にラインを越えてはみ出した場合はアウトとなります。
バッターが出塁できる場合
バッターが出塁できる場合は以下の通りです。
- ヒットを打った場合
- フォアボールorデッドボールになった場合
- エラーになった場合
- 打撃妨害になった場合
- 」振り逃げをした場合
それぞれのパターンについて詳しく紹介していきます。
ヒットを打った場合
バッターが打ったボールがヒットになった場合、バッターは出塁できます。
ヒットには種類があり、以下の5種類に分けられます。
- シングルヒット
- ツーベースヒット
- スリーベースヒット
- ホームラン
- 内野安打
シングルヒット、ツーベースヒット、スリーベースヒット、ホームランの違いは到達するベースがどこかによって異なります。
一塁まで到達できた場合は、シングルヒット(ヒットだけでもシングルヒットを指す場合があります)
二塁まで到達できた場合は、ツーベースヒット、三塁まで到達できた場合は、スリーベースヒットとなります。
ホームランは、打球が外野フェンスを超えた場合や、ベースを一周回ってホームまで帰って来た場合(ランニングホームラン)に記録されます。
内野安打とは、内野ゴロになる打球だったものの、一塁まで出塁できた場合に使われます。
フォアボール・デッドボールになった場合
ボールカウントが4つになると、フォアボールとなりバッターは一塁へ出塁できます。
もし、4つ目のボールをキャッチャーが後逸した場合などは、二塁・三塁を狙っても問題ありませんが、アウトになる可能性があります。
また、投球がバッターの体に当たった場合はデッドボールとなり出塁が可能です。
デッドボールは、ユニフォームも体の一部とされるので、ユニフォームにかすっただけの場合でもデッドボールの判定となります。
デッドボールは、フォアボールとは異なり、一塁までしか進むことができないという違いがあることも覚えておきましょう。
ちなみに、フォアボールやデッドボール時にランナーが盗塁を試みたとしても、盗塁として認められません。(前の塁が空いている場合に盗塁が成功した場合は認められます)
エラーになった場合
例えば…
- ショートゴロを打ったが一塁への送球が大幅に逸れた場合
- 平凡な外野フライを野手が捕球できなかった場合
など、通常であればアウトが取れた場面で、野手がミスをするとエラーが記録されます。
ヒットを打たなくとも、相手がミスをしている間に、送球より先に塁までたどりつくことができれば、出塁となります。
打撃妨害となった場合
バッティング時に、バットがキャッチャーの構えるミットに当たった場合は打撃妨害となり、バッターは出塁が可能です。
他にも、下記のような場面に打撃妨害が宣告される場合があります。
- キャッチャーがボールを持たない状態で本塁より前に出てきた場合
- バッターが打つ前にキャッチャーが本塁上から前で捕球した場合
- 送りバントの場面で、野手が著しく前進し、打撃の妨げになった場合
仮に、打撃妨害となる場面でもバッターが打った場合、プレイは続行となり、ヒットを打った場合はヒットが記録されます。
振り逃げした場合
振り逃げで、送球やタッチよりも先に一塁までたどりついた場合、出塁が認められます。
振り逃げはどんな場面でも認められるのではなく、以下の条件を満たしていなければいけません。
- 一塁にランナーがいない場面 or 2アウトの場面
- 第3ストライクの投球を、捕手が正規に捕球しなかった場合
一塁にランナーが居ない状態か、もしくは2アウトの場面でしか振り逃げはできません。
さらに、キャッチャーが第3ストライクとなる投球を正規に捕球できなかった場合のみ振り逃げが可能です。
正規に捕球とは通常の捕球のことで、投球がワンバウンドした場合や、捕球しそこねた場合などのことを言います。
バッターがアウトになる場合
バッターがアウトになる場合は以下の通りです。
- 3ストライクとなった場合
- 一塁に到達する前に送球された場合
- 打球を直接野手が捕球した場合(フライ・ライナー)
- インフィールドフライになった場合
- 守備妨害となった場合
- バッターボックスからはみ出して打った場合
それぞれのパターンについて詳しく紹介していきます。
3ストライクとなった場合
バッターは3ストライク=三振でアウトとなります。ストライクは、以下のいずれかをするとカウントされます。
- バットを振ってもボールに当たらない(空振り・ハーフスイング)
- ファウルを打つ ストライクゾーンに来たボールを見逃す
上記のいずれかでストライクカウントが3つになると3ストライク=アウトとなります。
ファウルに関しては、2ストライクまではストライクカウントが増えますが、それ以降はファウルではカウントは増えないため、3回連続でファウルをしたとしても3ストライクとはなりません。
2回ファウルをして2ストライクの状態で、空振りや見逃しをすると3ストライクとなりアウトとなります。
ただし、送りバントの場合は、ファウルであっても3ストライクがカウントされるので、3回失敗したらアウトです。
一塁に到達する前に送球された場合
バッターはゴロやヒット性のあたりを打った場合でも、一塁を踏む前にボールがベースを踏んでいる一塁手に送球されるとアウトとなります。
また、一塁にたどりつく前に、ボールを持った野手にタッチされてもアウトです。(タッチアウト)
一塁だけに限らす二塁を狙うも、先に二塁に送球された場合もアウトになります。
打球を直接野手が捕球した場合(フライ・ライナー)
打球が地面につく前に、直接野手が捕球した場合はアウトとなります。
- 打ち上がったボールを捕球される…フライ
- ほぼ一直線飛んだボールを捕球される…ライナー
直接野手が捕球する場合は、上記のどちらかとなり、どちらかわかりにくい打球の場合は「ハーフライナー」と呼ばれる場合もあります。
インフィールドフライになった場合
インフィールドフライとは、以下の条件下で内野にフライを打ち上げた場合に、打球の捕球に関わらず審判の申告でアウトになるルールです。
- 0アウトもしくは1アウト
- ランナーが一・二塁もしくは満塁
インフィールドフライは、上記の条件のときに、審判が「内野手が普通の守備行為を行えば捕球できる」と判断すると申告されます。
インフィールドフライが申告されたら、野手がボールを捕球もしくは、ボールが地面についた時点で自動的にバッターはアウトとなります。
守備妨害となった場合
バッターが、野手の守備を妨害したと認められると守備妨害となりバッターはアウトとなります。
わかりやすく、相手の守備を邪魔した場合はもちろん、打球にもう1度バットが当たった場合、ファウルボールを故意に狂わせた場合なども守備妨害となります。
バッターボックスからはみ出して打った場合
最初に紹介しましたが、バッターはバッターボックスからはみ出してはいけないルールがあります。
構えているときは、完全にライン内に足を置く必要があり、打つときは、少しはみ出す程度であれば問題ありませんが、完全にはみ出すとアウトとなります。
完全に足がバッターボックスからはみ出した状態で打つ場合、結果がヒットでもホームランでもアウトとなります。
ただし、空振りをする場合は、打ったことにはならないので足が完全にはみ出していても、通常通りストライク判定です。
バッターのルールを理解してプロ野球を楽しもう
本記事ではバッターに関するルールについて紹介しました。
少しややこしい部分もありますが、おおまかなルールは頭に入れておくようにしましょう。
バッターボックスのライン上に足が残っていれば問題無いので、NGの例の左の写真は間違っております。
コメントありがとうございます!
本当ですね…誤った情報を記載してしまい申し訳ありません。
2022年6月2日10時時点で画像の修正をすると共に、ラインもバッターボックス内に入ることを追記いたしました。
この度は教えていただきありがとうございます!
また何か気になる点がありましたらいつでも気軽にコメントください。
引き続きグラスタをよろしくお願いいたします。