【プロ野球ルール集】ピッチャー(投手)に関するルールまとめ|球数・投球時間・デッドボール・危険球・ボーク・交代など
プロ野球を見ていく上で、ルールを知っているとより楽しく観戦ができます。
本記事では、プロ野球のルールの中でもピッチャー(投手)に関するルールについてまとめて紹介していきます。
ピッチャーの基本ルール
ピッチャーは野球に欠かせないポジションのひとつで、当然ながらピッチャーがボールを投げなければ試合は進みません。
- マウンド上からキャッチャーに向かってボールを投げる
- ピッチャープレートに触れた状態で投球動作に入る
- 投球練習は5球まで
- ボールを受けたあと15秒以内に投球する(塁に走者がいないとき)
ピッチャーの基本ルールとして、まずは上記の4つについて紹介します。
マウンド上からキャッチャーに向かってボールを投げる
内野の真ん中に土が盛られた部分があり、その場所をマウンドと呼びます。
マウンドは直径18フィート(5.4864m)、高さは10インチ(254mm)と決められています。
ピッチャーはマウンドからキャッチャーに向かってボールを投げ、打者を出塁させたり、点を取られたりしないようにするのが仕事です。
ピッチャープレートに触れた状態で投球動作に入る
ピッチャーは投球するときに、マウンド上にある板=ピッチャープレートに触れた状態で投球動作に入る必要があります。
ピッチャープレートはは横24インチ(609.6mm)、縦6インチ(152.4mm)の長方形だと決められています。
投げるときに離れてしまうのは仕方がないので問題ありませんが、投球姿勢をとるときや、投球動作に入るときはプレートに足が触れている状態でなければいけません。
投球練習は5球まで
ピッチャーは先発投手・中継ぎ投手に関わらずイニング間に投球練習を行います。(強制ではありません)
投球練習は好きなだけできるのではなく、5球までと決められておりそれ以上は投げられません。
ただし、5球を投げていない状態でも、前の回の第3アウトの宣告から1分30秒が経過した時点で、球審から「あと1球」と宣告を受けます。
これは試合をスムーズに進めるために決められているルールです。
ボールを受けたあと15秒以内に投球する(塁に走者がいないとき)
試合をスムーズに進めるためのルールとして、ボールを受けてから15秒以内に投球をするルールがあります。
ただし、これは走者がいない場合に限っての話で、走者がいる場合は特にルールとして明記されていません。
また15秒以内に投球をしなかった場合、ボールの宣告がされます。
ちなみに一般的にこのルールのことを「15秒ルール」と呼ばれています。
ピッチャーの投球について
ピッチャーが投げたボールは、投げた場所やバッターの行動によってストライク・ボールのカウントが増えていきます。
【ストライクになる場合】
- ストライクゾーンにボールを投げる&バッターが見逃す…ストライク
- ストライクゾーンにボールを投げる&バッターがバットを振るも当たらなかった場合…ストライク
- 投げたボールにバットが当たるも、ファウルゾーンに飛んだ場合…ファウルボール(2ストライクまではストライクカウントが増える)
- ストライクゾーン外にボールを投げる&バッターがバットを振るも当たらなかった場合…ストライク
【ボールになる場合】
ストライクゾーン外にボールを投げる&バッターが見逃す…ボール
基本的にはストライクゾーンの中にボールが入ればストライク、ストライクゾーンから外れればボールとなります。
投球した場所に関わらず、バッターがバットを振って空振ればストライク判定です。
ストライクを3つ取れば三振=アウトとなり、ボールカウントが4つになるとフォアボール(四球)でバッターは出塁します。
アウトを3つとる=3アウトで、攻守を交代し試合が進んでいきます。
デッドボールと危険球について
ピッチャーが投げたボールがバッターのバット以外の場所に触れるとデッドボールとなり、バッターは出塁できます。
腕や脚などにボールが当たった場合はもちろん、ユニフォームや防具をかすった場合であってもデッドボールです。
もし故意にボールを当てたと判断された場合は、危険球となりピッチャーは退場、バッターは出塁となります。
また、上記とは別に日本野球機構では危険球について下記のように決められています。
投手の投球が打者の顔面、頭部、ヘルメット等に当たり、審判員がその投球を危険球と判断したとき、その投手は即退場となる
こちらは故意でないとしても、頭部などに投球が当たった場合は危険球とみなされ、ピッチャーは即退場です。
ただし、頭部であってもゆるい変化球などで危険球ではないと判断される場合もあります。
その場合は即退場にはならず警告とされますが、次にチームの誰かが頭部付近への投球を行えば退場となります。
牽制球について
ピッチャーは基本的には、バッターと対峙し、キャッチャーに向かってボールを投げますが、塁に走者がいる場合、走者のいる塁に向かってボールを投げる=牽制球を行うこともあります。
走者はピッチャーのすきを盗んでの盗塁や、早くスタートを切って2塁・3塁・ホームを狙っているので、塁から離れて(リードをとって)構えています。
ピッチャーはそんなときに次の塁を狙う走者を、元の塁に戻したり、アウトにしたりするために牽制を行う形です。
ただし後ほど詳しく紹介しますが、牽制時にはルールがあり、ルール通りに投げないとボークをとられます。
ボークについて
ボークとは、投手の投球や塁への送球における反則行為として決められているものです。
走者がいる場合はそれぞれの走者が進塁します。
走者がいない場合はボールカウントがひとつ増えますが、もしボーク時の投球をヒットにした場合やエラーなどで出塁した場合はそのままプレイが続行されます。
ボークの種類は13種類あるのですが、少しややこしいので、以下のパターンに分けて紹介していきます。
- 通常時の反則行為
- バッターに対する反則行為
- ランナーに対する反則行為
通常時の反則行為
- 遅延行為を行う
- ボールを持たない状態でピッチャープレートに触れる・またいだ場合、またピッチャープレートに触れずに投げる真似をする
- ピッチャープレートに触れている状態でボールを落とす
野球はピッチャーがボールを投げないと試合が進みません。そのため遅延行為とみなされる行為を行った場合は反則行為とみなされボークとなります。
またボールを持っていない状態でピッチャープレートに触れたり、跨いだりしてはいけません。
ピッチャーは投球時にはピッチャープレートに触れていないといけないため、ピッチャープレートに触れずに投げる真似をする場合もボークとなります。
さらにピッチャープレートに触れている状態でボールを落とした場合(故意でないとしても)もボークとなります。
バッターに対する反則行為
- 反則投球を行う(バッターが構えていないときに投げるなど)
- バッターと正対する前に(バッターに体を向けない状態で)投げる
- ピッチャープレートに触れていない状態で投球する
- ピッチャープレートに触れている状態で投球動作を途中で止める
- 投球姿勢をとったあとに片方の手を離す(実際に投球・送球する場合を除く)
- 敬遠時にキャッチャーズボックスに両足が入っていないキャッチャーに投球する
- セットポジションで完全に静止しない
当然ですが、バッターが構えていないときに投げたり、バッターに体を向けない状態で投げたりするとボークとなります。
ピッチャープレートに関する反則行為としては、ピッチャープレートに触れていない状態での投球や、触れている状態で投球動作をやめてはいけません。
投球姿勢をとった後は、両手を合わせておく必要があり、実際に投げるとき以外は片手を離してはいけません。
また、敬遠時にキャッチャーズボックスに両足が入っていないキャッチャーへの投球もボークとみなされます。
試合を見ている中で、よくボークが取られる場面がセットポジションで完全に静止しないときです。
ランナーに対しての反則行為
- ピッチャープレートに触れている状態で一塁へ偽投する
- ピッチャープレートに触れている状態で牽制するときに、軸足でない方の足をその塁の方へ踏み出していない
- ピッチャープレートに触れている状態で走者のいない塁に牽制をしたり、フリをしたりする
ランナーがいるときの牽制時でもボークをとられる場面が多くあります。
ピッチャープレートに触れている状態で牽制をするときに、一塁へ偽投(投げるフリ)や、牽制をするときに軸足でない方の足を塁に踏み出さないとボークとなります。
また、ピッチャープレートに触れている状態で走者のいない塁に牽制したり、フリをしたりしてはいけません。
基本的にはピッチャープレートに触れていなければ問題ありませんが、ピッチャープレートに触れて牽制をするときには注意が必要です。
交代に関してのルール
- 最低でも最初のバッターへの投球が終了するまで交代できない
- 一度ベンチに下がったらその日の試合に再度出場はできない
- ピッチャーから他の守備位置へ交代したあと、ピッチャー以外の守備位置へ再度交代できない。また再度ピッチャーへ戻ったあとは他の守備位置へ変更できない
基本的には、プレイ中以外であればいつでもピッチャーは交代ができます。
しかし、1度マウンドにあがったピッチャーは最低でも一人目のバッターへの投球が終了するまで(アウトもしくは出塁するまで)は交代できません。
ピッチャーに限らず、野球では一度ベンチに下がった選手は、再度試合に出場できません。
そのため、また同じピッチャーに投げさせたい場合は外野などの守備につくことができます。
ただし、一度ピッチャー以外の守備についた場合、次はピッチャーへの守備変更しかできないうえ、もう1度ピッチャーへ戻ったあとは守備位置を変更できません。
ルールが分かるとよりプロ野球を楽しめる!
ピッチャーのルールについてまとめて紹介しました。
少しややこしい部分もありますが、理解をしておくとよりプロ野球を楽しめるので、ぜひチェックしておきましょう。
もし「このルールがよくわからない!」というのがあれば気軽にコメントやメール、Twitterで連絡ください!