【プロ野球用語解説】エラーとは?基準は?|最多数・平均数など記録についても調べてみた
プロ野球では、守備をしている選手がミスをするとエラー(失策)という記録がつく場合があります。
しかし、ミスをしたプレイすべてにエラーがつくのではなく、同じような状況だったとしてもエラーがつくプレイとつかないプレイがあります。
本記事ではエラーがつく規準についてはもちろん最多数、平均数などの記録についてもまとめて紹介します。
エラー(失策)とは
エラーとは、守備をしている選手のミスにより、打者や走者をアウトにできなかったり、進塁されたりすることです。
具体的にどのような場面でエラーがつくのか、例を出してみました。
- 平凡なセカンドゴロをセカンドがトンネルする
- ランナーなしの状況でファーストへの送球が大幅に逸れる(悪送球)
- 平凡なフライを捕球できずに落とす
このように、通常であれば問題なくできたであろうプレイをミスするとエラーが記録される場合が多いです。
エラーが記録されない場合
一見エラーのように見えても、次のような場合はエラーが記録されません。
- イレギュラーバウンドで捕球ができなかった場合
- フライを譲り合って取れなかったり、太陽光や照明の影響で球を見失ったりした場合
- 打球を弾いて落としてしまったが、打球が強くて捕球できなかったと判断された場合
- 正確な送球ができなかったが、通常のプレイをしていたとしてもアウトは取れなかったと判断された場合
ミスをしたとしても、仕方がないプレイ(イレギュラーバウンドなど)や、通常のプレイをしていたとしてもアウトにできなかったと想定される場合はエラーが記録されません。
エラーを判断するのは審判?
ここで気になるのが、ミスをしたときに、エラーかどうかを判断するのは誰なのかという点です。
一見、判断をするのは審判のように思えますが、答えは「公式記録員」です。
野球は後から見返したときに、試合がどのように展開されたのかがわかるように「スコアブック」を記録しますが、プロ野球の公式戦でも同じようにスコアの記録が行われます。
実際に行われたプレイが、どのようなプレイなのか、エラーなのかエラーではないのか、については公式記録員に判断が委ねられています。
エラーって一年でどれくらい記録されている?
エラーが多いと、直接的に相手の得点(失点)に繋がり、場合によっては負けに繋がります。
エラー数は少なければ少ないに越したことはありませんが、一年でどれくらいのエラー数が記録されているのか、参考までに2022年度のエラー数を調べました。
球団ごとのエラー数
まずは球団ごとのエラー数を調べてみました。上から順にエラー数が多かった順に並べています。
- 阪神タイガース:86個
北海道日本ハムファイターズ:86個
埼玉西武ライオンズ:86個 - 読売ジャイアンツ:82個
- オリックス・バファローズ:75個
- 広島東洋カープ:73個
- 千葉ロッテマリーンズ:70個
- 東京ヤクルトスワローズ:69個
- 中日ドラゴンズ:66個
- 横浜DeNAベイスターズ:64個
- 福岡ソフトバンクホークス:59個
- 東北楽天ゴールデンイーグルス:49個
エラー数が最も多かったのは阪神・日ハム・西武の86個で、少なかったのは楽天の49個と倍近くの違いがあることがわかります。
エラーが多いチームは弱い?
一見強いチームはエラーが少ないのかと思いますが、2022年シーズンにリーグ優勝し、日本シリーズも優勝したオリックス・バファローズでも75個と5番目の数字です。
エラー数が最も多かった阪神タイガースも、リーグ順位は3位で終わっています。
エラー数が多くなると試合に負ける可能性が高くなるものの、その分打撃で取り返したり、他の試合でカバーしたりも可能なため、一概にエラーが多い=弱いとは言えません。
とはいえ、エラーが少ない=守備が安定しているという事実には違いないため、優勝を目指すのであれば、エラー数は減らす必要があります。
はっきりとは言えないけど、エラーで試合がひっくり返ることもあるし少ないに越したことはないよね…!
エラーが多い選手
続いてエラー数が多い選手にポジションごとについて調べてみました。(2022年シーズンの数字)
- ピッチャー:ガンケル(6回/阪神)
- キャッチャー:甲斐拓也(6回/ソフトバンク)・森友哉(6回/西武)・宇佐見真吾(6回/日ハム)
- ファースト:マクブルーム(12回/広島)
- セカンド:牧秀悟(13回/横浜)
- サード:村上宗隆(15回/ヤクルト)
- ショート:中野拓夢(18回/阪神)
- 外野手:岡林勇希(5回/中日)・ウォーカー(5回/巨人)・愛斗(5回/西武)
こうやってみると、多い選手でも大体5回〜18回のエラー数を記録していることがわかります。
出場している試合数にもよりますが、ゴールデングラブ賞を10年連続で受賞している広島の菊池涼介選手は、2020年には守備機会が503回もあるのに関わらずエラー数は0です。
そう考えると守備の上手な選手はおのずとエラー数も少なく、安定した守備をしていることがわかります。
エラー数の記録を持っている選手
通算記録でエラー数の記録を持っている選手についてポジションごとに調査しました。
- ピッチャー:別所毅彦・東尾修(53回)
- キャッチャー:野村克也(271回)
- ファースト:王貞治(165回)
- セカンド:高木守道(284回)
- サード:小玉明利(301回)
- ショート:白石勝巳(636回)
- 外野手:大下弘(79回)
エラーについてよくある質問
エラーについてよくある質問に回答していきます。
他にも質問や疑問があれば気軽にコメントください〜!
- エラーとは?
-
通常であれば問題なくできたであろうプレイをミスするとエラーが記録されます。
- ワイルドピッチは誰のエラー?
-
ワイルドピッチはピッチャーにエラーが記録されます。
- フィルダースチョイスってエラー?
-
フィルダースチョイスはエラーではありません。
まとめ
エラーとは、守備をしている選手のミスにより、打者や走者をアウトにできなかったり、進塁されたりすることを言います。
ミスであっても、公式記録員の判断でエラーの記録がつかない場合もあります。
エラー数が多くなると、直接的に失点や負けにつながる場合もあるため、試合に勝っていくためにはエラー数を減らすことが大切です。
プロ野球を見るときには、エラーにも注目してみてはいかがでしょうか。