【プロ野球用語解説】サイクルヒットとは?どれくらい凄いのか考えてみた
2018年シーズンには
- 柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)
- 山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)
- 桑原将志(横浜DeNAベイスターズ)
- 平田良介(中日ドラゴンズ)
とひとつのシーズンで4人も達成者がでたサイクルヒット(サイクル安打)。
2019年シーズンには阪神の梅野隆太郎選手、2021年シーズンにはDeNAの牧秀悟選手、ヤクルトの塩見泰隆選手が達成されました。
近年でも達成者が生まれているサイクルヒットですが、実際のところサイクルヒットって何なのか、どれくらいすごいのか知らないという人も多いのではないでしょうか。
本記事ではサイクルヒットについて詳しく紹介していきます。
- サイクルヒットとは、一人が一試合で単打・二塁打・三塁打・本塁打の四種類のヒットを打つこと
- 2022年シーズン終了時点で71人が達成(合計76回)
- 確率で考えるとノーヒットノーランよりも達成が難しい記録
サイクルヒット(サイクル安打)とは?
サイクルヒット(サイクル安打)とは、一人の選手が一試合で、以下の四種類のヒットをすべて打つことをいいます。
- シングルヒット(単打)
- ツーベースヒット(二塁打)
- スリーベースヒット(三塁打)
- ホームラン(本塁打)
打つ順番は特に決まっていませんが、元々は「単打、二塁打、三塁打、本塁打の順で安打を打つこと」をサイクル安打としていたため、以下のような呼び名があります。
- 単打→二塁打→三塁打→本塁打の順でヒットを打つことをナチュラル・サイクルヒット
- 本塁打→三塁打→二塁打→単打の順でヒットを打つことをリバースサイクルヒット
ただヒットを打てばいいってわけじゃないんだよ!
日本プロ野球での達成者
執筆時点では、過去に71人の選手が合計76回達成しています。
その中でも特別な記録を保持している選手は以下の通りです。
- 藤村富美男(大阪タイガース) -1948年10月2日:日本で初めてサイクルヒットを達成&1950年5月25日:NPB史上初複数回達成&ナチュラル・サイクルヒット達成
- 東谷夏樹(阪急ブレーブス) – 1952年4月13日:パ・リーグで初めてサイクルヒットを達成
- 大下弘(西鉄ライオンズ) – 1954年7月15日:NPB史上初の延長戦での達成&サヨナラ本塁打での達成
- ダリル・スペンサー(阪急ブレーブス) – 1965年7月16日:NPB史上初の外国人達成者
- 衣笠祥雄(広島東洋カープ) – 1976年7月7日:NPB史上初の初回先頭打者本塁打から始まるサイクル安打を達成
- 中村紀洋(近鉄バファローズ) – 1994年9月18日:自身プロ初の三塁打で達成
- ロバート・ローズ(横浜ベイスターズ) – 最多記録保持(1995年5月2日、1997年4月29日、1999年6月30日)
- 稲葉篤紀(ヤクルトスワローズ) – 2003年7月1日:最速イニング達成(5回)の記録保持&NPB史上初降雨コールドゲームでの達成
- 稲葉篤紀(ヤクルトスワローズ)&村松有人(福岡ダイエーホークス) – 2003年7月1日:NPB史上初同一日に複数人達成
- アレックス・オチョア(中日ドラゴンズ) – 2004年4月13日:MLBとNPBの両方で達成(唯一)&NPB史上初リバースサイクルヒット達成
- 福留孝介(阪神タイガース) – 2016年7月30日:史上最年長で達成(39歳3か月)
その他の達成選手や、全打席の結果はNPBの公式HPにて確認ができます。
サイクルヒットはどれくらいすごいの?
サイクルヒットを達成すると、その場では花束を貰えたり、後日連盟表彰を受けたり、記録達成者として公式記録が残ったり…。
なんとなく「すごいこと」だというのはわかるかと思いますが、実際どれくらいすごいことなのでしょうか?
ノーヒットノーランより達成している人が少ない
ピッチャーの立場に立って同じような記録と考えるとノーヒットノーランを思い浮かべる方も多いと思いますので、今回はノーヒットノーランの記録と比べてみます。
このノーヒットノーランは過去に87人が合計98回達成しており、サイクルヒットと比べると達成者数が多いことがわかります。
ピッチャーは一試合につき一人しか達成するチャンスが無いけど、バッターは一試合で先発出場選手全員にチャンスがあるということを考えると…
ノーヒットノーランを達成できるのは一試合につき一人だけなのに対し、サイクルヒットは先発出場選手全員(ピッチャーも含めて9人)にチャンスがあります。
確率的に達成できる機会はサイクルヒットのほうが多いのにも関わらず、達成できる機会の少ないノーヒットノーランのほうが多く達成されているということは、サイクルヒットの達成が難しいということを意味していると思いませんか?
サイクルヒットはなぜ達成が難しいのか
サイクルヒットは、単打・二塁打・三塁打・本塁打を一人で一試合のうちにすべて打つ必要があります。
単打・二塁打はだれでも打てる可能性が高いですが、三塁打や本塁打はだれでも打てるものではありません。
足が速いため三塁打は打てても、本塁打は打てない選手や、パワーがあり本塁打は打てるけど、三塁打は打てない選手もいます。
選手はそれぞれ得意とするものが違うので、足とパワーと運を必要とするサイクルヒットは達成が難しいのです。
サイクルヒットは達成が難しい記録
サイクルヒット(サイクル安打)とは、一人の選手が一試合で以下の四種類のヒットをすべて打つことをいいます。
- シングルヒット(単打)
- ツーベースヒット(二塁打)
- スリーベースヒット(三塁打)
- ホームラン(本塁打)
達成するには足の速さと打球を飛ばすパワー、それから運も必要となるため達成が難しくノーヒットノーランよりも達成者が少ない記録です。
これから先の試合でどの選手が達成するのか、今後も楽しみですね。
- サイクルヒットとは、一人が一試合で単打・二塁打・三塁打・本塁打の四種類のヒットを打つこと
- 2022年シーズン終了時点で71人が達成(合計76回)
- 確率で考えるとノーヒットノーランよりも達成が難しい記録