【プロ野球用語解説】ノーヒットノーランと完全試合の違いは?ランナーの有無に注目!
投手の記録として「ノーヒットノーラン」と「完全試合」があります。
どちらも達成が難しく、とても名誉のある記録なのですが違いをあまり知らない人も多いのではないでしょうか。
2022年には佐々木朗希投手が最年少で達成して話題になったよね!
本記事では、投手の記録ノーヒットノーランと完全試合の違いについて詳しく紹介します。
- どちらも一人の投手が最後まで試合を0点・ヒット無し投げきり勝利するのが条件
- ノーヒットノーランはフォアボールやエラーなどで出塁してもOK
- 完全試合はランナーを一人も出してはいけない
違いはランナーが出るか出ないか
簡単にノーヒットノーランと完全試合の違いを伝えると、ランナーの有無が違いとなります。
2つの共通点と違いについて確認していきましょう。
ノーヒットノーランと完全試合の共通点
ノーヒットノーランと完全試合は以下の4つの点が共通しています。
- 1人の投手が1試合で最後まで投げる(完投する)
- 試合を0点に抑える(完封する)
- 1本もヒットを打たれない
- 勝利する(引き分けでは参考記録となり公式記録ではない)
どちらも一人の投手(先発投手)が一試合投げきり、ヒット0本で試合に勝利する必要があります。
引き分けで試合が終わった場合や、コールドゲームになった場合は参考記録となり公式記録としては記録されません。
共通している部分が多いからこそややこしい部分もあるため、共通点と違いをしっかりと理解しておきましょう。
ノーヒットノーランと完全試合の違い
ノーヒットノーランと完全試合の違いは、一言でいうと「ランナーの有無」です。
- ノーヒットノーラン…一試合で一人の投手が一度もヒットを打たれずに試合に勝利したときに記録される
- 完全試合…一試合で一人の投手が一度も出塁させずに試合に勝利したときに記録される
ノーヒットノーランは、一人の投手がヒットなし、0点で最後まで投げきり勝利をすれば、フォアボールやデッドボール、エラーなどでランナーが出塁しても記録されます。
一方の完全試合は、フォアボールなどでランナーの出塁もさせなかった場合に記録されるものです。
また完全試合を記録した場合は、ノーヒットノーランも同時に記録されます。
ノーヒットノーランはランナーが出てもOKだけど、完全試合はランナーすら出したらダメって覚えてね!
【注意】ノーヒットノーラン=無安打無得点
ノーヒットノーランの「ラン」って「ランナー」のことじゃなくて、実は「得点」のことなんだよ!
ややこしいのが「ノーヒットノーラン」という言葉で、ノーヒットは無安打というのはわかりますが、ノーラン=ノーランナーと思ってしまうことがあります。
しかし、実際にはノーラン=無得点という意味で、ランナーが出塁しても問題はないことを覚えておきましょう。
過去のノーヒットノーラン達成者
ノーヒットノーランはポストシーズンを含めて過去に98回達成されています。(2022年シーズン終了時点)
一覧にまとめてしまうとかなり長くなってしまうので、ここでは主な達成者を紹介します。
名前(所属球団) | 日付 | 対戦相手 | 備考 |
沢村 栄治(巨人) | 1936.9.25 1937.5.1 1940.7.6 | タイガース タイガース 名古屋 | NPB初達成者 3度達成(最高記録) |
石田 光彦(阪急) | 1937.7.16 1940.8.22 | 東京セネタ ライオン | 2度達成 |
亀田 忠(イーグルス/黒鷲) | 1940.3.18 1941.4.14 | ライオン 阪神 | 2度達成 |
中尾 輝三(巨人) | 1939.11.3 1941.7.16 | 東京セネタ 名古屋 | 2度達成 |
藤本 英雄(巨人) | 1943.5.22 1950.6.28 | 名古屋 西日本 | 2度達成 |
金田 正一(国鉄) | 1951.9.5 1957.8.21 | 阪神 中日 | 最年少(18歳1か月) 2度達成 |
真田 重蔵(大陽/阪神) | 1948.9.6 1952.5.7 | 阪神 広島 | 2度達成 |
山下 登(近鉄) | 1954.8.7 | 高橋 | パ最年少(19歳7か月) |
外木場 義郎(広島) | 1965.10.2 1968.9.14 1972.4.29 | 阪神 大洋 巨人 | 3度達成(最高記録) |
鈴木 啓示(近鉄) | 1968.8.8 1971.9.9 | 東映 西生 | 2度達成 |
江夏 豊(阪神) | 1973.8.30 | 中日 | 延長11回で達成 |
近藤 真一(中日) | 1987.8.9 | 巨人 | 初登板で達成 |
佐藤 義則(オリックス) | 1995.8.26 | 近鉄 | パ最年長(40歳11か月) |
ガトームソン(ヤクルト) | 2006.5.25 | 楽天 | 交流戦で達成 |
山本 昌(中日) | 2006.9.16 | 阪神 | 最年長(41歳1か月) |
杉内 俊哉(巨人) | 2012.5.30 | 楽天 | 交流戦で達成 |
菅野 智之(巨人) | 2018.10.14 | ヤクルト | クライマックスシリーズで達成 |
千賀 滉大(ソフトバンク) | 2019.9.6 | ロッテ | 毎回奪三振で達成 |
佐々木 朗希(ロッテ) | 2022.4.10 | オリックス | 完全試合最年少(20歳5カ月) プロ野球タイ19奪三振 毎回奪三振 |
今永 昇太(DeNA) | 2022.6.7 | 日ハム | 交流戦で達成 |
なお、一番達成者が多いのは巨人で、一番相手に達成されているのが中日、楽天のみ現時点で達成者がいません。
過去の完全試合達成者
完全試合は過去に16回記録されています。(2021年7月2日時点)
名前(所属球団) | 日付 | 対戦相手 | 備考 |
藤本 英雄(巨人) | 1950.6.28 | 西日本 | NPB初達成者 最年長(32歳1か月) |
武智 文雄(近鉄) | 1955.6.19 | 大映 | パ・リーグ初 |
宮地 惟友(国鉄) | 1956.9.19 | 広島 | 最小投球数(79球) |
金田 正一(国鉄) | 1957.8.21 | 中日 | 左投手初(唯一) |
西村 貞朗(西鉄) | 1958.7.19 | 東映 | |
島田 源太郎(大洋) | 1960.8.11 | 阪神 | |
森滝 義巳(国鉄) | 1961.6.20 | 中日 | |
佐々木 吉郎(大洋) | 1966.5.1 | 広島 | |
田中 勉(西鉄) | 1966.5.12 | 南海 | |
外木場 義郎(広島) | 1968.9.14 | 大洋 | |
佐々木 宏一郎(近鉄) | 1970.10.6 | 南海 | |
高橋 善正(東映) | 1971.8.21 | 西鉄 | |
八木沢 荘六(ロッテ) | 1973.10.10 | 太平洋 | |
今井 雄太郎(阪急) | 1978.8.31 | ロッテ | |
槙原 寛己(巨人) | 1994.5.18 | 広島 | 平成唯一の達成者 |
佐々木 朗希(ロッテ) | 2022.4.10 | オリックス | 完全試合最年少(20歳5カ月) |
平成では槇原投手ただ一人しか達成できませんでしたが、令和になって2022年に千葉ロッテの佐々木朗希投手が史上最年少で達成されました。
今後もどのような選手が達成されていくのが楽しみですね。
ノーヒットノーランと完全試合の違いはランナーの有無
ノーヒットノーランと完全試合について紹介しました。
どちらも一人の投手が再度まで投げきり0点で勝利することは同じ条件です。
違いとしてはノーヒットノーランはフォファボールなどでランナーを出しても問題ありませんが、完全試合はランナーも出してはいけないという点です。
どちらもとてもむずかしい記録なので、今後達成する選手が出てくるのが楽しみです。
- どちらも一人の投手が最後まで試合を0点・ヒット無し投げきり勝利するのが条件
- ノーヒットノーランはフォアボールやエラーなどで出塁してもOK
- 完全試合はランナーを一人も出してはいけない