【プロ野球用語解説】ポスティングシステムとは?海外FAとの違いや資格など
日本からアメリカのメジャーリーグへ移籍する方法は海外FA権を行使して、移籍する方法のほかに、「ポスティングシステム」を使った方法があります。
と言っても、ポスティングシステムと海外FAの違いってよくわからないですよね
今回はプロ野球選手がメジャーリーグへ挑戦するために大切なポスティングシステムについて紹介していきます。
- ポスティングシステム=海外FA権を持っていない選手をメジャーリーグへ送り込む制度
- 海外FA権とは異なり日本国内の他球団には移籍できない
- 海外FA権とは異なり最低9年を過ごさなくても利用できる
ポスティングシステムとは?
ポスティングシステムとは海外FA権をまだ持っていない選手を、メジャーリーグへ送り込む制度です。
過去にはイチロー選手や松坂大輔選手、田中将大選手、前田健太選手、大谷翔平選手も、ポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦しています。
海外FAとの違い
ポスティングシステムと海外FAは同じく、現在在籍している球団から海外の球団(メジャーリーグ)に移籍できるシステムです。
ポスティングシステムと海外FAの主な違いは、以下の2つが挙げられます。
- 移籍できる球団の範囲
- 移籍できるまでの年数
それぞれの違いについてチェックしていきましょう。
違い①移籍できる球団はメジャーリーグのみ
海外FAの場合は、メジャーリーグだけに限らずに海外のプロ野球球団に移籍ができます。
また海外だけでなく、日本国内の他球団も選手との交渉が認められているため、海外との交渉が失敗しても日本国内の他球団に移籍することが可能です。
と言っても、選手はメジャーリーグでのプレーを望んでFAしたので、海外への移籍が難しい場合は現在の球団に在籍する場合がほとんどです
ポスティングシステムは、移籍が認められるのはメジャーリーグのみで、メジャーリーグの球団と交渉はできても、日本の他球団とは交渉はできません。
もし受け入れてくれるメジャーリーグの球団がなければ今在籍している球団に残る形になります。
違い②移籍できるまでの年数に制限がない
海外FAの権利を取得するには、9シーズンを過ごす必要があります。
1年目からずっと一軍に登録されることができれば、最短で9年間在籍すれば海外FA権の取得が可能です。
一方のポスティングシステムは、球団さえ認めてくれれば権利を使うまでの年数に規定はありません。
極端に言えば1年目からでもポスティングシステムを使えるのです。
(※ただし、ほとんどの球団は海外FA権取得の1~2年前にならないと認めません)
海外FA権を取得するには最低でも9年間が必要となるため、その期間を待たなくてもメジャーに挑戦できる仕組みがポスティングシステムだよ
ポスティングシステムの流れ
ポスティングシステムを使ってメジャーリーグに挑戦するための流れは、以下のような流れになります。
- 所属球団にメジャー移籍への意向を伝え許可をもらう
- 毎年11月1日〜翌年2月1日までの間に所属球団からコミッショナーへ申請を出す
- メジャーリーグのコミッショナーへ告知をする
- 告知の翌日から30日の間に交渉を行う
所属球団は、コミッショナーへ申請時に譲渡金の金額を設定します。
譲渡金とは選手をメジャーリーグへ放出する代わりに、獲得するメジャーリーグ球団からもらえるお金のことで、上限は2,000万ドルです。
30日間の期間内に交渉が終わり、移籍先の球団が決まると、選手を獲得した球団は一括もしくは分割で支払わなければいけません。
譲渡金の最初の支払いは14日以内に支払う必要があり、譲渡金が支払われてから5日以内に選手を自由契約(今の所属球団からの解放)します。
その後は選手本人と、移籍先のメジャーリーグ球団で入団の手続きをしていく…というのがポスティングシステムの流れです。
ポスティングシステムはメジャー挑戦を応援するシステム!
ポスティングシステムはメジャーリーグへ移籍するためのシステムですが、同じ海外へ移籍をする海外FAとは違い、権利を取得する必要はありません。
所属球団さえ許可してくれればいつでもメジャーリーグと交渉ができるので、最近ではポスティングシステムを利用して移籍する選手も増えています。
海外FA権の最短でも9年間という時間を待つと、高卒の選手でも20代後半になってしまうため、「いつかはメジャーに」と思っている選手にとってはとても大切な制度なのです。
- ポスティングシステム=海外FA権を持っていない選手をメジャーリーグへ送り込む制度
- 海外FA権とは異なり日本国内の他球団には移籍できない
- 海外FA権とは異なり最低9年を過ごさなくても利用できる